三石山からの下りはあっという間。下ったところでPC2のミニストップに着いた。ここものんびりする間もなく買ったハン
バーガ等を食べてすぐ出発。そこから海方面に向かう。県道247号に出た後夜がだんだんあけてきた。と同時にマジで眠い。
これではダメだ。走っていると丁度、トンネルの隣にちょっとした芝生っぽいところがあったので、そこに横になった。
後で場所を確認したら鴨川青年の家の近くだった。少し横になったら結構目が覚めた。そして再び出発。この辺りでは一人だった。

夜も明けて左手には海が見える。朝焼けが結構綺麗だった。ちょっとは写真を撮ろうととまり写真を撮る(写真右)。
横を見るとコンビニがあった。ふと駐車場を見ると自転車の横に座って寝ている人がいた。やっぱり皆眠いようだ。しかし私自身
後ろの方だったので人は少ない。丁度6時、138km時点。やはり眠気が取れず、ローソン和田町仁戦浦店の裏で再び横になった。足を
伸ばすと気持ちがいい。ふくらはぎに少し力を入れるとつりそうになった。以前みたいにつらないかどうか心配だった。ここが結構
気持ちよかった。20分ほど寝てしまった。急いで起きて出発。流石に気持ちいい。スピードも若干あがった。
PC3に着くとまだ何人かいた。しかしPC1に比べると明らかに少ない。「やべ~最後かな。」と思いつつ食べ物を食べていると若い女の子3人組みが入って
きた。係りの方が「お疲れ様~。大丈夫~」というと「いつも最後だけど大丈夫です~。」なんて言ってた。やはり最後の方には変
わりはないのか。丁度PC3は160km地点だ。半分は超えたことになる。係りの方が誰かと話していた。「まあ、ここからPC4,PC5が大変
なんだよね。」思わず高低差の紙を見る。なるほどPC5までデカイ登り下りを6つ位クリアしなくてはならないようだ。
周りの人を見るとラーメンとか食べている。余裕があるといいな、と思った。
おにぎりを食べた後早々に出発すると前を走っていた人に追いついた。自転車の後ろに大きな籠をつけている。
ブルベの人にしては結構変わったスタイルだな。と思った。バスケットさんと名づけた。

安房スカイラインに入る。暫く走っているとどこかで見たような風景がでてきた。以前千葉の峠を走った時に通ったコースだった。
木之根峠のところに着いたところで、ナビの充電器を交換した(写真左)。今回ヘッドライトをつけていてそれでナビ
を見ていたのでナビの画面には殆ど触れていなかった。触れると明るく表示してくれるが、その分充電が減る。満タンに充電して特に
何もせずつけっぱなしで走ると丁度12時間もった。結構もつなあと思った。
充電池を変えているとバスケットさんが登ってきた。「おっ、トラブルですか?」と言われたので「いえ、充電池を変えてるんですよ。」
と答えた。「こっからPC5までが大変なんだよね。」と言われた。確かにこの後は、下ったところにPC4そしてその後はマザー牧場を越
え鹿野山まで登る。鹿野山自体350mの山なので単体ならそれ程キツイ山ではない。しかしもう足はへろへろで腕も痛くなっていた。

木之根峠から下りPC4に向った。少し追いついたのか、PC3より人が多かった。この後今回のブルベのクライマックスが待っているからだろうか。皆飲んだり
食べたりして準備をしていた。女の子3人衆もやってきた。この辺りに来ると「あ、またこの人だ。」という感じで覚えてきた。右写真
手前に映っている女性も男性二人で走っている方でPCで見かけることが多かった。カップルさんということで名づける。
さていよいよ鹿野山に向けて出発。
女の子3人衆とバスケットさんは先に出発していた。後を追っていく。食べ物を食べたので少し体力が復活。「おっしゃ~。復活!」と登っていった。
気合とは裏腹にひーひー言いながら登っていると女の子3人衆に追いついた。横を追い抜いていく。
しかしこっちがひーひー言いながら登っているのに対し、3人で何やら楽しそうにおしゃべりしながら登っている。
まだ体に余裕があるんだ~と思ってしまった。
バスケットさんを抜き、ようやくマザー牧場に到着。女の子達やバスケットさんは「ここの夜景は綺麗なんですよ~。」とか言って本当楽しそうだ。
かたや私の方は疲れて一言も発せない状態だった。やっぱ体力が大幅に落ちているのか~。兎に角先を急ぐぞと思い鹿野山に向った。

そしてついに鹿野山山頂!バス停があって鹿野山山頂とあったので記念に写真を撮った(写真左)。今回の唯一の観光地記念写真。山頂付近はちょっと山頂は言え低いせいか民家もあった。
登ってきた坂を撮ろうとしたら丁度バスケットさんが登ってきた。
山頂周辺
登ってくるバスケットさん
頂上で少し話しをした。バスケットさんは今回はブルベのサポートとして参加されているとのことだった。バスケットは、そのための荷物
だったのだろうか。「前走った時はもうちょっと速く行けたんだけどな。」というので「以前にも走ったコースなん
ですか。」って聞くと、「そう先週。コース確認のためにね。」といった。そりゃ純粋に疲れが残っているんでしょう!!と思った。
よく連続で300kmも走れるもんだ、と思った。しかし400kmや600kmってブルベがある。ブルベやり続けている人ならこんな距離へでもな
いのかも知れない。程なく女の子3人衆も登ってきた。バスケットさんが「お~い大丈夫~。」と言うと「大丈夫で~す。」って答えてた。
再び出発。しかしまたもや眠気が。止むを得ず道路の横の芝生で横になった。「あ~この間に皆に抜かれていくんだな~。」と思いつつ目
を閉じる。そして目が覚めた時はめっちゃ気持ちよかった。よし今度こそ眠気は取れた!と思い走り出す。PC5までに残り2山。と言っても
それ程高い山ではない。2つ目の登りに入った時に女の子3人衆に追いつき、その後バスケットさんに追いつき、PC5に無事到着。距離
260km。後は40kmである。

まだ若干の登り降りはあるが何とかいけそうだった。写真の手前に映っている年配の方が「いや~もう体力なくて本当厳
しいですよ~。」と言ってた。でも私より全然速いっすよ~。写真の奥に映っている方はブルベの今回の担当者の方。
さてPC5を出発。もう止まらずに最後まで突っ走るぞ~。って思っていたが、再び眠気が・・・。何なんだよ~と思いつつ、がんば
って走っていると一瞬走りながら寝ている自分に気づいた。「ダメ車に轢かれる」と思い再び道路の脇に寝た。程なく「もしもし。」
と言われ起こされた。見ると警察官だった。「ドライバーの方が、自転車と一緒に倒れている人がいるって教えてくれたんで来たんですが
この様子だと、休憩ですか?」と言われた。「いやーすいません。そうです。休憩です。」若い警官で「大変ですね~。どの辺りから走って
来たのですか?」と言われたので「えーと検見川から南の方行って戻ってきて・・・。300kmのサイクリングみたいなもんです。」って
言ったらびっくりされてた。その内バスケットさんがやってきて「どうしたんですか?怪我でもされました?」と言われた。この人には何か
とお世話になってしまっているようだ。そこから暫くブルベの話とかで3人で盛り上がってた。「じゃ、そろそろ出発しますね。」って
言って出発しようとすると、バスケットさんが「大丈夫ですか、後15分位ならまだ寝ていても大丈夫ですよ。」と言われた。「え?15
分しか余裕ないの?」と思いいっぺんに目が覚めた。
もう決して眠らないぞと決心し出発。バスケットさんは速く下りも平地もあっという間に走り去っていった。
信号で待っていると、カップルさんが追いついてきた。自分ひとりだと甘えがでるのでこの人達についていった。幸い再び眠気が
来ることはなく、無事3人でゴール。時刻を見ると17時30分。制限時間の30分前だった。3人でコンビニの前に自転車を止めると、カップ
ルさんが「やった無事ゴールできましたね~。」と手を出されたので「ありがとうございます。お疲れ様です!」と言って握手。全く知らない
人と握手したのなんか初めてだったが、凄い嬉しかった。
ふと見るとバスケットさんがいた。「お~お疲れ様~。」と言って「そう言えば女の子3人はまだかな。」と言われた。
そういえばPC5を出てから一度も会っていなかった。
するとカップルさんの男性の方が「途中でコースを間違えたんですよ。大声で追いかけて叫んだですけど、すぐに見えなくなって、これ以
上追うと私が時間内につけなくなるのでやむなくあきらめたんです。」と言われた。ブルベは初めてじゃなさそうだったし、3人もいれば
誰かが気づいて元のコースに戻れていたらいいがと思った。
てなわけで目標の制限時間内に到着!嬉しかった。係りの人にブルベカード等渡し、手続きをしてもらった。「後、どの位の方がゴール
していない方がいます?」と聞くと「10人弱ですね。」と言われた。
カップルさんは車に自転車をおきに行ったのでまだ手続きはしていない。女の子3人衆を考えると本当最後だったんだと改めて思った。
本当に疲れたが、振り返れば楽しい思い出になった。