
千葉、東京、埼玉近辺では、有名な峠はある程度登ったかな~と思い、少し離れて輪行で行ける範囲を探していると大弛峠という、
車でいける峠では一番高い場所にあるという峠があることを知った。これは行ってみたいと思ってルートラボで見ていると、塩山駅から
35km登ったところにあるという。標高2365m。標高が高いのにも驚いたが、それ以上に35km登りっぱなしというのがかなり気になった。
果たして、自分に登り切れるのだろうか。
今回のコースは、塩山駅まで輪行してそこからすぐ登る。同じ道を降り、途中で焼山峠本面へ向かいそのまま能泉湖、昇仙峡に出る計画だ。
合計で100km位のコース。最初の30km強を超えれば殆ど問題ないと思った。
始発で家を出て、塩山駅に着いたのが丁度8時。天候は曇り。もともと雨かもしれないと思っていたので曇りだったのはよかった。天気予報
では、夕方から雨と言っていた。なので早めに登って降りればオッケー。実はこの日問題なければ、泊まって翌日は武田信玄関連の跡を
色々走ってみようと思っていた。そのため着替えとかも一応持ってきておいた。輪行バックや着替え等をロッカーに入れ必要最小限
の装備のみにした。
塩山駅にて(周りにコンビニ等がなかった~)
塩山駅に降りて目に入ったのが「武田信玄」の像(写真上)。甲府は武田信玄の武田神社とか武田信玄関連の神社仏閣、歴史跡が多い。記念撮影した後、出発。
ルートラボでルートを作っていたときに最初からゆるやかな登りになっていると認識していた。まずは朝飯と飲み物を駅前で買おうと思ったが
驚いたことにコンビニがない。周りを見ても1件もない。マジか?昨今じゃどんな田舎でも、コンビニの一つや二つはあるかと思ったが本当に
ない。仕方ないので暫く走っておれば出てくるだろうと思って走っていたら、やっとセブンイレブンを発見した。ちょっとここを逃すとないかと
思いすぐに朝食と飲み物を購入。

5kmほど行ったところに「恵林寺」があった。「恵林寺」は武田信玄の菩提寺。中に入るとまだ人は来ておらず静かだった。
綺麗な池もあり庭園のような感じだった。ネットでの写真では春は桜がいっぱい咲くようだ。またお店もあり「信玄餅」と書かれていた。美味しそうだがまだ
開いていないようだった。
三門といわれる門の入り口には「安禅不必須山水 滅却心頭火自涼」と書かれていた。
三門です。
お店。信玄餅食べたかった
「心頭滅却すれば火もまた涼し」で有名な「滅却心頭火自涼」という文字ということはわかった。しかし「安禅不必須山水」は知らなかった。
調べたら「安禅は必ずしも山水を用いず」とよむとのことで、坐禅をするのに静かな山中か水辺は必要ないという意味らしい。
はて?と思った。
「滅却心頭火自涼」って武田信玄が言った言葉って思っていたので、何で座禅が出てくるのかと思って調べていたら全然違った。
これらの言葉は織田信長が武田信玄を攻めた時、武田側の恵林寺の禅僧、快川紹喜が、恵林寺にて織田信長の奇襲に遭い火をつけられた時、
他の弟子の禅僧に炎に包まれながら教えた言葉とのことだった。武田信玄はこの快川紹喜禅僧から禅を学んだとのこと。
しかしこの言葉自体は、この快川紹喜がオリジナルではなく、オリジナルは中国の詩人「杜筍鶴」の詩の中の句ということだ。全然知らなかった~。

「恵林寺」でもう少し時間を取りたかったが、先を急ごうと思い、すぐに出発。
少し行くと明らかに登り始めたことが分かった。これがちょっとキツイ。「あれ~いきなり、こんな調子だとあとが持たない・・・」といきなり不安に
なった。しかも道がまっすぐで、延々と続く登りを見せられてげんなりさせられる。
延々と続きそうな登り・・・
脇を見るとブドウが沢山なっていた。ブドウ狩りはしたことがないので、本当にぶら下がっているブドウを見るのは初めてだった。
「へーこんなになるんだ。」と写真を撮った。最初出てきたのがマスカットだろう。実が小さいのもあり、最初はこんなのなんだ~と驚いた。
また巨峰っぽいのもあった。本当美味しそうであった。ブドウ狩りってのも一度やってみたいと思った。
最初はこんなに小さいんだ~
おおっ!でっか~い!
おおっ!美味しそうなのがいっぱい~
出発して10kmほど。行けども道はまっすぐ。また前方の天候は非常に怪しい。自分が走っているところはまだ日が照っていた。
山の方は既に雨が降っているんではないかと不安だった。しかし3分の1は過ぎたと思い頑張る。

それにしても今回は腰が痛い。何でだ?昨日10km走ったせいか?10km位でダメになるのか俺の腰は~!とどこにもぶつけようのない怒りを感じながら
登りつつも、痛くてダメ。少し休憩~。
自転車にまたがったまま少し休憩していると、隣の日陰で止まっていた軽トラックのおじさんが、話しかけてきた。
「にいちゃん、これからどこ行くの?」
「大弛峠までです。」
「もしかしてこの間のレース出たの?」
「この間のレースって何ですか?」
「この峠で初めて自転車のレースがあったのよ。ほら富士山とかでもやってるやろ。あんなレースだよ。この近くに自転車関連で有名な方がいてね。
その人が申請してやっとレースが開催されたんよ。」
って教えてくれた。その後も色々話をしていた。結構詳しい方だった。
家に帰ってネットで調べると「
戦国ヒルクライムin山梨・大弛峠」という8月2日行われたレースのことだと思った。ただし大弛峠まで行かずその前の
琴川ダムがゴールとなるレースだったようだ。

14kmほど走ったところに滝が・・・と思ったら人工で作ったものだった。まあそれでもあまり変わり映えしない風景よりは少し変化もでていいと
思った。山に入っても道は比較的綺麗だが、それ程変わった風景は見られなかった。
滝っぽかったがそうじゃなかった~
途中で看板が出てきた。最初は「こ」と書かれた看板。「なんだこりゃ?」と思った。「いろは坂」と同じかと思い走っていると、次に「と」が
出てきた。「琴川ダム」のことだった。
22km位走ったところで琴川ダムが見えてきた。こちらのダムは多目的ダムでは日本で一番標高の高い場所にある。規模は大きいのか小さいのかわからない。
とりあえず休憩しようとすると「鳥居峠広場」っていう看板があった。
行ってみるとちょっとした広場というほどでもないがスペースがあった。車が1台止まっていた。展望台みたいなところがあったので乙女湖とともに写真を撮った。(写真右)
「峠ってどこがやねん。」と思い周りを見ても峠というほどのものはない。家に帰ってネットで調べても「鳥居峠」は全国各地にあるものの、ここの
峠を説明するところは少なかった。
乙女湖。日本で一番標高の高いところにあるダムを持つ