#012(1/2)
■日時: 2021/9/4
■場所: 暗峠(大阪ルート)
■走行距離: 14.8km ■TRIP TIME:3時間
■走行ルート: 車で枚岡駅まで。枚岡駅高架下から暗峠へ。奈良ルートで国道168号線まで下り、
富雄駅を通り学園前駅実家へ。


実家に帰ったタイミングでツーリングに行こうと考えた。それほど時間があるわけでは無かったので、比較的短時間で、行ける暗峠を登ることにした。

暗峠は、5年ほど前に奈良のルートから登ったことがある。本当はその時に大阪からのルートで登ればよかったのだがちゃんと調べておらず奈良のルートしかないと思っていた。

今回は、激坂で有名な大阪ルートでのチャレンジだ。
まあチャレンジといえば響きがいいが、若い人でもちゃんと練習していないと登りきることができないと聞いている。距離は、たった2kmなのにだ。
なので、体験してみるってつもりで登ることとした。まともにトレーニングもしていない50過ぎの人間が登り切れる坂とは思っていない。

てなわけで、実家の奈良からまず生駒山を越え枚岡駅まで家の者に車で送ってもらうことにした。

しかし天候が最悪。家を出た時は曇りという感じだった。
奈良から生駒山に向かっていると生駒山の上は完全に雨雲に覆われていた。 こりゃダメかなと思いつつも今回行かないと次いつ来れるかわからないので、強行することにした。


車に乗っていても雨は降っていなかったからだ。しかし生駒山を上っていると段々雨が降ってきて、遂には土砂降り。
家の者も「これでも行くの?」と聞く始末だったが、走っているとまた止んできた。つまり局所的に降ったりやんだりという感じなのだ。
なので「行く。」と言って枚岡駅に向かった。
生駒山を下り平地を走っていると今度は雷が鳴りだした。もうだめかと思いつつとりあえず枚岡駅まで行こう、といい向かった。

すると枚岡駅に着いた時は雨も雷もやんでいた。「ラッキー!!」ということで車を降りスタート地点の高架下についた。

バイクはGIANT。前ギアは3段ついていないと無理と思っていたからだ。

スタート時点が住宅街にも関わらず、いきなりの斜度だ。道路に円形のスリップ防止がついている。

ここに住んでいる人はこんな坂も楽に毎日上り下りしているんだろうか。まずは前は2段後ろを一番インナーに入れ早速スタート。
行けるかと思いきや、いやこの調子で全ては無理だと早々に挫折。前のギヤも一番インナーに入れて再スタート。

うん、これならとりあえず登れる、とは分かったが上っていると段々回転が落ちてきた。息もあがる。足の筋力的には問題ないが心拍がキツイ。
結局スタート地点から住宅街を出る前に一旦小休止ってことで足をついた。

いや~、これずっと登っていける人いるんだと思う位だった。個人的にはもう少し位は行けるつもりであったが、やっぱ坂を経験するだけにした。

このあたりから山に入って行く。気温が22度。雨が降ったせいで気温がは下がりちょうど良い感じだ。しかし早々に汗が出まくり。

いよいよ山の中へ。斜度は変わらない。


ほどなく茶屋があった。「初音」というお店だ。
実は私の娘も漢字は違うが「はつね」だ。個人的には娘に名前を付ける時、中々「はつね」という名前の子はいないだろうと思った。

やはり思った通り、お店とか友達、知り合いの中でこれまで「はつね」という人は見たことがなかった。ただここを含め2度だけ。
もう一回は、筑波山にツーリングに行った時、そこのお茶屋さんも「はつね」だった。
ツーリングでしかも2回ともお茶屋さんってのは偶然にしては中々すごいなと思った。

次にそれほど経たないうちについたのがお寺だ。このお寺は他の暗峠を登った方のブログ等で見たことある。
「法照寺」。法華宗 真門流の寺院とのことだった。中には入らずじまいだが。ネットで観ると綺麗なお寺であった。

法照寺で記念撮影

ここまで登るだけでも汗がだくだくだった。いったん小休止。このお寺を見ても結構な斜度だということがわかる。そして再度出発。
ここで前方に歩いている地元の方がいて、その方を抜いた。年配の方でゆっくり登っている。せめて年配の方位は抜かないとと目標を立てる。 しかし抜いたものの、また小休止。そこで追いつかれた。


脇に別方向への道があった。その横はガードレールが曲がっていた。車か何かがぶつかったんだろうか。

車は登っている時に何台かすれ違った。 1台は通れても対向車が来たら大きい車はアウトだろう。

ひん曲がったガードレール。誰かがぶつかったんだろうか。

続いて何やら石碑が見えてきた。
ここで再度休憩。正直足の筋肉は問題ない。それよりも心臓がバクバクなった。ちょっと息苦しい位だ。 こんなのは初めての経験であったため、ちょっとまずいかと思い休んだ。

成願寺と横の案内版には書かれている。真言宗なので密教だ。石碑には「禊行場」と書いている。多分修行僧が水に打たれて修行する場が近くにあるんだろう。

雨に打たれながらこの坂登っているだけでも十分「みそぎ」だなと思った。 成願寺に行こうか迷ったが、余計な所で体力使うのもキツイ。

ここでまた歩行者に追い抜かれた。いやー情けない。


しかし、写真のような直線的な登りが延々と続くのは精神的に凹ませるのに十分だ。

さて出発するかと思ったら、足に強い痛みが!ふと見るとでっかいアブがとまっていた。ふざけんなと思いすぐに追い払うも何とかして足にとまろうとする。
「あー、めんどくさい!」と思い自転車にまたがり、もうスピードで登った。。。。
つもりだったが、このスピードではアブをまくことはできなかった。
まあ、それでも暫く登っているうちにいなくなった。

次についたのが観音寺。

しかしそこも通り過ぎ、少し登ったところにちっちゃい鳥居があった。
「なんだこのちっちゃい鳥居は?」と思ってちょっと降りて覗いてみると奥に石碑が何体かあった。手前の大きな石碑には「お玉大神」と書いてある。

「お玉大神?」何とも可愛い名前の神様だ。他の石碑にも何たら大神と彫られている。
もちろんこの時は、どんな神様か分からず、そもそも何でこんな神様が集まっているのか分からなかったので、家に帰ってから調べた。


しかし分からない。同じように調べようとした人のブログや観光のサイトも観たが、分からないとのこと。
「へ~。こんな事ってあるんだ!」

大概は、何等かの古い文献等で書いてあったりするもんだが、この石碑群については、誰が何のためにこんなに集めたのか不明とのこと。
面白い!今の世の中、日本でこういった古い石碑、遺跡、分からないことなんて、そんなにないのではと思っていたからだ。

ちなみに「お玉大神」という可愛い神様は他の場所でもあった。しかし何の神様なのかは不明。もうちょっと調べればわかるのかな。

何やら反対側に仏像のようなものもあった。ちょっと見てみると、不動明王像だった。
やはりこのあたりは修行者の場所とかでもあったんだろうなと思った。
案内板を観ると、観音寺と書いてあった。観音寺がここに不動明王を安置したのだろう。 写真をとっていると歩いていた方にまた追いつかれた。
まあここで会ったのも縁だ。と思い話かけてみた。


「凄い坂ですね。」
「あなたみたいに自転車で登っている人よういるわ。」
「自転車乗る人にとっては有名な激坂ですからね。僕も初めてチャレンジしたのですが、いやー全然歯が立たないですわ。」
「そうそう有名やからね。東京から態々来る人もおるよ。」
「僕東京からですよ。実家がこっちなんでこの機会に来たんです。」
「そうなんや~。」
「峠まで行ったら有名なお茶屋さんがあるんでそこ目指してます~。よく上まで行かれるんですか?」
「いやいや、もう最近はもうちょっとのところまで行って終わりや。」
「峠の上あたりで住まれている方は大変ですよね。よくこんな坂登れる。」
「もう、でも年配者がおおなったよ。若い方が少ないんとちゃうかな。いつまで持やろか~」
「そうなんですか。。。それじゃ、そろそろ行きますね。ありがとうございました。」
「がんばりや。」

こういう一期一会は楽しい。

いい休憩もできたし、再度出発!で少し登っていくと急なカーブが。
いや、なんちゅうカーブや、、、。と登っている時に足をついた。で、ふと周りを見ると、どこかで見た風景。


「あっ!ここか!」思わず坂のところに自転車を立てた。そうここが皆さんが一番斜度がキツイって言って写真をとっている有名な場所。
俺の自転車もここで記念撮影できたことは微笑ましいことだ!てなわけで記念撮影!

うーん、めっちゃキツイ斜度だわ。よしここはやはり自転車で登らないと、と思い少し下ったところから登り始める。
インコースはとてもじゃないけど無理だろうからアウトコースをゆっくり登っていった。

一番キツイカーブ辺りから下を撮ったところ。めっちゃ急
一番キツイカーブから下を撮ったところ。もはや壁。

下からずっと登りっぱなしで来た人がここで足をつくのもわかる。というかここまで足をつかないで来れるだけでもかなり凄いと思った。
更にここを登り切り最後まで行く人ってスゲーなって思った。

やっとメインどころを過ぎた。
後は楽勝かと思ったら、そうでもなかった。

今度は慈光寺と書いた看板があった。思えば高々2kmの道中に結構神社や寺があるように思える。
慈光寺に行ってみたかったが、今回の目的を達成させることを優先した。

自宅に帰ってから調べたが、やはり真言宗、修験道の寺ということだった。

正面から車が来た。僕の左側を過ぎていったが、助手席に小学生位の子が僕の方を指さして何やら興奮していた。

「お父さん、あの人凄いよ、下から自転車で登ってきたんだよ!」
「そうだね凄いねー」

って会話をしているに違いない。
そうだよ。下から一歩も足をつかず登ってきたんだぜ!そういうことにしておいてくれ!